医療機器サプライチェーンマネージメント(SCM)のポイント その②

僅少在庫の取り合いは日本に不利?

物理的な遠さは海外からの購入などの場合に強く感じられます。

外資系の医療機器会社での経験ですが、製造拠点が米国と英国にあり、当初グローバルのサプライチェーンは米国と英国のSCMチームに仕切られていました。リコールが発生しても、日本に情報が入ってくるのが海外での第一回目の対応会議から一週間後といったことはあたりまえで、改善後の製品の割り振りも知らないうちに決まっているような状態でした。

また、日本は真面目にフォーキャストを送り、発注も十分なリードタイムをもって行っていますが、米国でQAが通らない等の理由で品薄になった時に、受注順を飛び越して英国の注文に引き当たることも多々ありました。距離の問題なのか、それとも同じ言語を使用するアングロサクソンの結束なのか、同じグループ内でも不利と感じました。

半分疑心暗鬼になっているところで当時の部下が半年以上欠品となっていた製品を製造計画の時からモニタリングし、米国の出荷倉庫で日本のオーダーに引き当たったところまで確認しましたが、なんと翌日には日本からのオーダーが再び受注残のステータスに戻り、一旦日本向けに引き当たった製品が同日中に英国に向けて出荷されていました。米国の受注データ(受注日含む)や日本のオーダーに引き当たった画面のスクリーンキャプチャーなどの証拠を基に、英国に送ったことは責めずに、「英国から日本に向けて再輸出」をするよう強く依頼しましたが、無視でした。

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Face to Faceで話ができたり、受注データを操作できる人物との信頼関係があったとしたら、こういったことは回避できたのではないかと考えます。

転職して早々の出来事でだいぶ凹みましたが、その後気を取り直してSCMのプランナーや工場の製造計画などとのコミュニケーションを積み重ね、2年を過ぎた頃からグローバルのSupply、Demandのトップと年に数回会って話ができるようになって、「距離」が縮んだと感じるに至りました。北米・ヨーロッパ・日本での電話会議は日本時間の25時や26時が常でしたが、声もかかるようになり、海外の意図を汲みつつ、時にはお金の話をすることで相手の視界に入り、『日本は?』と聞かれるようになりました。

物理的な距離というと「移動にかかる時間」を連想しますが、それはまた次回で。

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